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子どもたちの情報活用能力は?/データで読み解く、子どもとスマホ【第49回】

子どもたちの情報活用能力は?/データで読み解く、子どもとスマホ【第49回】

これからはネットで得た知識を自分なりに考えて判断して表現し、それを未来にいかしていかなければなりません。ここで非常に大切になってくるのが情報活用能力です。

増え続ける情報と向き合う子どもたち

いまの子どもたちは、スマホやタブレットで世界中の公開情報にアクセスすることができます。その情報量はぼう大で、年々増え続けています。

出典:Cisco VNI Mobile 総務省『平成29年版 情報通信白書』 図表2-1-2-2 世界のトラヒックの推移及び予測(トラヒック種別)

2020年の世界には、世界中でいきかうデータの量は月間194エクサバイト※1となることが予想されています。2017年の約1.8倍のデータ量と考えると、途方もない数字であることが実感できるでしょう。※エクサバイトはデータの量を表す単位。メガバイト、テラバイト、ペタバイトの上の単位で、1エクサバイトは百京バイト。

さて、これらの情報と向かい合っていく子どもたち。前回お伝えしたように、これからはネットで得た知識を自分なりに考えて判断して表現し、それを未来にいかしていかなければなりません。ここで非常に大切になってくるのが情報活用能力です。

今回から、文部科学省の情報活用能力調査(小中学生、H25年度実施)をもとに、子どもたちがどのように情報を使いこなしているのか、読み解いていきます。

情報活用能力ってなに?

情報活用能力とは、いったいどういう力なのでしょうか。

この調査では、情報活用能力を
情報及び情報手段を主体的に選択し活用していくための個人の基礎的資質
と定義しています。

調査では、情報活用の実践力、情報の科学的な理解、情報社会に参画する態度の3つの観点について問題を出題し、子どもがコンピュータで回答したものを分析しています。

イメージしやすいように、公表されている問題をみてみましょう。

これは小学校向けの問題のひとつです。
「ごみの分別クイズ」をつくるにあたり、複数のホームページに記載されている情報をみて、ごみの収集日についての正確な情報を読み取るという内容。かなり実践的な内容であることがわかりますね。さて、調査結果からどんな傾向が見えてきたのでしょうか。

整理された情報の読み取りは得意だが……

小学生の情報活用能力には、次のような傾向がみられます。

【小学生:情報活用能力が高い項目】

  • 整理された情報を読み取ること
  • 自分に関する個人情報の保護への理解

【小学生:情報活用で課題がある項目】

  • 複数のウェブページから目的に応じて、特定の情報を見つけ出し、関連付けること
  • 情報を整理し解釈すること
  • 受け手の状況に応じて情報発信すること
  • 他人の情報の取扱いについての理解

中学生の情報活用能力には、次のような傾向がみられます。

【中学生:情報活用能力が高い項目】

  • 整理された情報を読み取ること
  • 一覧表示された情報を整理・解釈すること

【中学生:情報活用で課題がある項目】

  • 複数のページから目的に応じて、特定の情報を見つけ出し、関連付けること
  • 複数ウェブページの情報を整理・解釈すること
  • 受け手の状況に応じて情報発信すること
  • 不正請求メールの危険性への対処についての理解

小中学生とも共通して、整理された情報を読み取る力は高くなっていますが、複数のページにバラバラに存在する情報を整理し解釈すること、そして情報発信に課題があります。

整理された情報を読み取る力があることは、小さいころから調べ学習などでネット情報の収集を行なってきた小中学生ならではで、とても期待が持てます。

一方で、複数のページに存在する情報を見比べることは、それぞれ異なる立場から意見を発するのが一般的であるネットにおいては、非常に大事で基本的な力ですが、そこに課題があるのは気になります。

また、小学生・中学生でもSNSなどでの発信が容易に行なえる今日のネット環境で、情報発信に課題があるのは不安要素です。

次回は、情報活用の実践力、情報の科学的な理解、情報社会に参画する態度のそれぞれについて、くわしくみていきます。

※1 文部科学省 情報活用能力調査の結果について

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渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)

渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)

渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)

株式会社コドモット代表取締役社長。
NTT在籍時代の2001年、子ども向けポータルサイト「キッズgoo」を立ち上げ、同サイトでデジタルコンテンツグランプリ・エデュテイメント賞受賞。独立後は小学生向けのコンテンツを中心に、企業の子ども向けWebサイトや公共団体の子ども向けツールなどの企画制作を数多く手がける。一男一女の母。

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