いろいろな方法で写真を撮影してみよう!
写真を撮影して見てみるとなんだかイメージと違った写真だったという経験をしたことはないだろうか。同じ被写体を撮るのにも、構図やカメラの位置、光の当たり方やピントなどを変えると、写真の印象は変わってくるよ。どんなことを工夫すれば、イメージ通りの良い写真が撮れるだろう?表現したい写真に近づけるだろう?いろんな方法を試して、見え方の違いを比べてみよう!
実験のポイント
1 構図……………どこに何を写すかを決める。背景の入れ方による変化を調べる。
2 カメラ位置……上から、下から、目の高さなどによる変化を調べる。
3 光の当たり方…光をどう当てるかによってふんいきがどう変化するのかを調べる。
4 ピント…………はっきりと写す場所を変えるとどう変化するのかを調べる。
この4つのポイントで撮り比べてみよう。
1 構図
構図というのは、写真におさまる枠にあわせて「どこに何を写すか、どうやって見せるか」を考えることだよ。たとえば同じものを撮っても、
・近くから撮ると大きく見える
・真ん中にあると目立つ
・はしにあると、ちょっとおしゃれにみえる
などで写真を見る人の印象が変わるんだ。また、背景をどう入れるかも大事な要素。構図の変化で与える印象の違いを調べてみよう。
被写体の画面へのおさめ方を変えてみる
●真ん中におく
撮りたいものを真ん中に置くと、全体はわかりやすい写真になるが、印象には残りにくい。
●真ん中からはしによせる
ぬいぐるみに、動きやストーリー性が感じられる。
●被写体によって大きく撮る
むねから上(バストアップ)を撮る。ぬいぐるみのかわいらしさを強調できる。
【失敗】真ん中からはずしすぎた
上が切れてしまった。やりすぎると失敗してしまうので注意!バランスを考えよう。
背景の写り込み方を変えてみる
●背景を多く入れる
どんな場所にいるのかがよくわかる。遊具や花だんのある街中の公園に来ていることがわかる。
●人物を少しはしに寄せる
背景の中でも中心になるもの(ここでは顔のあるすべり台)に注目させることができる。
●人物を大きめに撮る
人物の表情がよくわかり、その人の感情を伝えることができる。
2 カメラ位置(アングル)
アングルというのは、「カメラをどこから向けるか」「どんな目線で見るか」ということだよ。
・上から見るとものが小さくみえる
・下から見るとものが大きくみえる
のように、カメラの高さや向きを変えると、見え方や伝わってくるメッセージがガラリと変わる!いろいろなアングルから撮影して違いを調べてみよう。
●上から撮る
体に対し頭が大きく写り、よわよわしさを感じさせる。
しずんだ気持ちを感じさせることができる。
●目の高さから撮る
その場にいるようなイメージになる。
前向きな気持ちを感じさせることができる。
●下から撮る
迫力があり、力強さを感じさせる。
夢や希望を表現することができる。
●真横から撮る
考え深さ、集中力を感じさせる。
落ち着いて考えているふんいきを表現できる。
3 光の当たり方
写真にとって、光はとっても大事。カメラの中には光を感じるセンサーが入っていて、「この場所にどんな光が当たっているかな?」「どこから光が当たっているかな?」という情報から、それを写真にしてくれているんだよ。光の向きや強さ、色によって、撮影された写真がかっこよく見えたり、やさしさや明るさを感じるなど、印象がまったく変わってくるんだ。いろいろな方向から光を当てて写真を撮影してみよう。
●正面から光を当てる
光が正面から反射することで明暗差が少なく、細かいところまで鮮やかに写る。影がつきにくい。
●横から光を当てる
光が表面にあたり、横向きに影が生まれる。立体的に見えて被写体の厚みを表すことができ、顔の表情が感じられる。朝や夕方のふんいきを表現できる。
●真上から当てる
顔の上半分やかたは明るく写るが、顔から下には影ができる。昼近くや真夏のふんいきを表現できる。
●後ろから当てる
光に向かって撮るため、被写体全体は暗くなるが、その分りんかくが明るくしっかりと見える。こもれ日や水面のきらきら光る様子はこの方法で撮る。味わいのある写真を撮ることができる。
【応用編】ストロボ(照明、フラッシュ)を使ってみる
ストロボを当てないとき。顔の影が出るので、立体感を強く出して撮ることができる。
ストロボを正面から当てたとき。顔が全体に白っぽくなる。あえて立体感をおさえて撮ることができる。
4 ピント
ピントというのは、カメラが一番はっきり・くっきり写す場所のことだよ。ピントが合っていると顔やものがはっきり見えて、見ている人も見やすく、ピントが合っていないとぼんやりとしてよく見えなくなるよ。同じ写真で、ピントを合わせる場所を変えるといったいどうなるだろうか、次の2つの目的で実験してみよう!
1 ピントをあわせて写真の主人公を決める
●ピントを後ろの人に合わせた場合
後ろの人を中心とした場面になる。
●ピントを手前の人に合わせた場合
前の人を中心とした場面になる。
2 奥行のある写真を撮る
●ピントを両方に合わせる
レンズからの距離が同じなら、ピントの合い方も同じ。これは、並んだ両方にピントの合った写真。奥行がなく、平坦に感じる。
●ピントを手前のものに合わせる
手前に置いた植物にピントを合わせる。植物を中心に、奥行きのある写真を撮影することができる。
●ピントを奥のものに合わせる
奥のぬいぐるみにピントを合わせる。ぬいぐるみを中心に、奥行きのある写真を撮影することができる。
【失敗】ピントがどちらにも合わなかった
ピント合わせに失敗すると、どちらもぼんやりした写真になってしまう。
【応用】これまで調べてきた効果を考えて、写真を撮ってみよう
●普通に撮った写真
ぬいぐるみを並べ、正面からの光で、少し上から撮影した写真。
●工夫して撮った写真
・構図:2つのぬいぐるみを組み合わせて、真ん中よりも少し左へ寄せ、写真にストーリー性を出した。
・カメラ位置(アングル):白くまを下から見上げるように撮った。未来を見すえているような力強さを表現した。
・光の当たり方:上からの光が当たり、明るい日差しが感じられる。画面向かって右後ろから逆光を加えているため、白くまの右側の毛が明るく写り、葉の水のしずくが光っている。
・ピント:植物を手前に置き、ピントはぬいぐるみに合わせた。奥行きが感じられる。
まとめ
これまで実験してきたことを、ワークシートにまとめてみよう!同じ被写体でも、構図、アングル、光の向きや強さ、ピントの違いでどんなふうにみえたか、撮り方次第でどう違うかなどを、実験した写真とともに書いていこう。
まとめ例
ワークシートのダウンロードはこちらから
アイデム写真コンテスト「はたらくすがた」
この自由研究を通じて学んだことをいかして撮影した写真を、撮ったときに感じたことを添えて写真コンテストに応募してみよう!株式会社アイデムでは、『アイデム写真コンテスト「はたらくすがた」』を行っているよ。大人の働く姿を撮影した写真であれば応募OK!今回紹介したテクニックを使って撮影をしてみてね。Webと郵送どちらでも応募できるよ。※応募するときには、撮影をさせてもらった人にも伝え、許可をもらおう。
【応募スケジュール】
9月17日(水) | 応募受付しめきり(当日消印有効) |
---|
10月上旬 | 最終選考-入賞候補者へ連絡/元データ提出のお願い |
---|
11月中旬 | 入賞発表-朝日小学生新聞、朝日中高生新聞、アイデムホームページ上にて |
---|
11月29日(土) | 表彰式(予定)-会場:東京都内ホテル |
---|
応募要項ダウンロード
アイデム写真コンテスト「はたらくすがた」
注意
・撮影してもよいかどうか、必ず許可をとってから研究をはじめよう。
・周囲に危険がないか、確認してから撮影をはじめよう。
・店などで撮影をするときは、必ず行く前に許可をとり、お客さんなどのめいわくにならないようにしよう。