太陽 の熱 で水 を温 める装置 !?
これは「太陽熱温水器」。太陽の熱で水を温めて、お湯をつくる装置なんだ。太陽光がよく当たるように屋根などに設置されているよ。板のような部分で太陽の熱を集め、その中を水が流れることによってお湯ができるというしくみなんだ。
太陽光で水を温めるって、どういうことなのか、ペットボトルでかんたんな「太陽熱温水器」をつくって実験をしてみよう!
実験のやり方は、次の動画でも紹介しているよ。
用意 するもの
・ペットボトル
・アクリル絵の具(不透明でペットボトルにぬれるもの)
・筆と水入れ
・温度計
・ダンボール
・粘着テープ
・角度をつけるための台(水を入れたペットボトルなど)
・軍手
・時計
【実験 】ペットボトル温水器 は何色 がいい?
さっき紹介した太陽熱温水器の装置は黒っぽい色をしていたね。実験では、いろいろな色のペットボトルで温水器をつくって、できるお湯の温度にちがいが出るかを調べてみよう。
実験 の準備
[1]
ペットボトルをアクリル絵の具でいろいろな色にぬる。
[2]
それぞれのペットボトルに水を入れる。水は同じ量になるようにする。
[3]
ペットボトルを太陽の光に当てる前に、すべてのペットボトルの水の温度をはかっておく。
※温度のはかり方……温度計の先がペットボトルにふれないように、水の中にまっすぐに立てて温度をはかる。温度計の中の液体が上がりきるまで少し待つ。目盛りは、真ん前から見て読もう。
[4]
ふたをしたペットボトルをダンボールでつくった箱に入れ、太陽の光がよく当たる場所に並べる。20分ごとに水の温度をはかって記録しながら、2時間ほど観察してみよう! 中の水の温度はどうなるかな?
20分 後 ——
20分後、ダンボールの箱から水の入ったペットボトルを出して、ふたを開け、それぞれ温度計で水の温度をはかってみる。
温度をはかり終わったら、ペットボトルにふたをして、ダンボールの箱に戻す。これを20分ごとにくりかえそう。
※ペットボトルが熱くなっている可能性があるので、実験中のペットボトルにさわるときは、必要に応じて軍手をしよう。
2時間 後 ——
2時間後、ダンボールの箱から水の入ったペットボトルを出して、温度計で中の水の温度をはかると……。
黒のペットボトルの水の温度が一番上がっていた!
ペットボトルの中の水を手に受けてみると、お湯ができていたよ!
※ペットボトルの中の水が熱くなっている可能性があるので、手に受けるときは、温度をはかったあとに少しずつ様子をみながらしよう。
どうしてこうなるの?
日光に当たると、体が温まるよね。それは、太陽の光(目に見えない光も含む)のエネルギーが熱のエネルギーになるからなんだ。熱エネルギーは光エネルギーに、光エネルギーは熱エネルギーになる性質があるよ。
太陽光温水器は、太陽の光エネルギーが熱エネルギーになることを利用して水を温めているんだ。
さらに、今回の実験では、透明、白、黄、赤、青、黒のペットボトルを用意して、中の水の温まり方を調べた。結果は、黒のペットボトルに入れた水の温度が一番上がったよね。
じつは、同じ時間太陽の光に当てても、色によって光を吸収する量はちがうんだ。「黒」は太陽の光の1つである「赤外線」を吸収しやすい性質があり、ほかの色のペットボトルよりも多くの光エネルギーを吸収して熱エネルギーにできたから、一番高い温度になったんだ。
だから、実際の太陽熱温水器も太陽の光エネルギーをできるだけ集められるように、黒っぽい色をしているんだね。
【発展 】もっと温 かいお湯 をつくるにはどうしたらいいだろう?
ペットボトルに入れた水をもっと温める方法を考えて、実験してみよう。
【発展 その①】太陽 の光 を当 てる一番 いい角度 は?
地上に対して、太陽の位置や高さは、時間や季節によって変わっていくよね。太陽光が一番よく当たって、効率的にエネルギーを集められる角度を探してみよう。
【発展 その②】太陽 の光 をより多 く集 めるには?
太陽の光を反射させて、反射した光もペットボトルに当たるようにしたら、中の水の温まり方は変わるかな?
たとえば、ダンボールの箱の内側にアルミ箔をはったり、鏡を置いたりして太陽の光を反射させて、ペットボトルに当てるのはどうだろう。
【発展 その③】温 まったお湯 を冷 まさないようにするには?
せっかくペットボトルの中の水の温度が上がっても、ペットボトルは外気にさらされているので、気温が低いときは中の水の温度が下がってしまう。
ペットボトルに太陽の光を当てながらも、中のお湯を冷まさないようにするには、どうしたらいいか考えて工作してみよう。たとえば、光は通すけど、熱は通しにくいものがあれば使えそうだね。
身近 なエネルギーについて考 えてみよう
いつも何気なく使っていたキッチンやお風呂のお湯は、ガスや電気のエネルギーを使って水を温めている。ガスや電気などはわたしたちのくらしをささえる大切なエネルギーだ。
でも、ガスや電気のエネルギーをつくるために天然ガスや石炭、石油を使ってきたことが地球の環境に大きな変化をもたらしている。これからは、環境への影響を減らしながら安定して利用し続けられるエネルギー源や利用の方法をもっと考えていかなければいけないんだ。
たとえば、今回のペットボトル温水器の実験では、太陽の光エネルギーを熱エネルギーに変えて使うことを実験した。太陽光などの自然の力を利用したエネルギーは、「再生可能エネルギー」といって、地球の環境にあたえる影響が小さい。ほかにもこうした自然のエネルギーを利用できるものがないか、調べたり考えたりしてみよう。
また、災害がおこったときは、電気、ガスなどの設備に大きな被害が出ることもある。ガスや電気の代わりに太陽のエネルギーを利用するペットボトル温水器は、災害時にも役立つんだ。どんなところに設置すれば、どのようなときに、誰の役に立つか、考えてみよう。
まとめ方
この自由研究に興味をもったきっかけや実験方法、結果、わかったこと・調べたこと・工夫したことなどをまとめよう。
実験の結果については、時間と温度の変化を表にまとめると見やすくなるよ。
<参考>
エネルギーについてもっとくわしく知りたい場合は、以下のサイトを参考にしてみてね。ワークシートもダウンロードできるよ。