ピーマンの畑の肉詰めカレー風味とピーマンとコーンのきんぴら/元気な子どもが育つ毎日のごはん【第6回】
ピーマンが苦手なお子さんには今回の2品なら、きんぴらから慣れていくとよいと思います。きんぴらでピーマンの量を増やしていき、焼きそばに入れるピーマンもゆでこぼしてから炒めるなど、ステップアップしていけば、そのうち、ゆでこぼさなくても平気になります。そうしたら、肉詰めのようにピーマンが主になる料理も食べられるようになるでしょう。
子どもが苦手な野菜として必ずあがるのがピーマン。青臭さや苦みが嫌われる一因のようです。それでも、ビタミンCやカロテンが多いので、栄養価アップのためにも食べさせたいのが親心ですね。
苦味は五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)の中でも、受け入れられにくい味です。そもそも苦味は、動物的に言えば「毒」を意味するため警戒するのです。ちなみに酸味は「腐敗」を意味し、これも敬遠されます。逆に甘味や塩味は、赤ちゃんが最初に口にする母乳にも含まれるので、受け入れやすい味といえます。
ですが、味覚の発達や経験により苦味や酸味も味わえるようになり、個人差はありますが、大人になれば苦味のあるコーヒーやビール、そしてピーマンやパセリ、ゴーヤなども食べられるようになります。
小さい子どもが苦味に慣れるには、やはり調理の工夫が必要です。苦味は油脂と組み合わせることで和らぎます。今回の肉詰めは、ひき肉の脂とコク、また”肉だね”のカレー味で苦味を感じにくくなります。また、炒めたり煮たりする前に、沸騰した湯でぐつぐつ煮て、ざるにあげ、ゆでこぼす方法は、ゆで汁に苦味が出るので、格段に食べやすくなるのです。今回の「ピーマンとコーンのきんぴら」は、炒める前にピーマンをゆでこぼし、さらにバターの油分とコクで苦味をカバー。野菜が苦手な子どもがいる保護者向けの料理教室でこの1品を紹介し、実際にお子さんに食べてもらったところ「このピーマン、苦くないね。ぼく、ピーマン食べられるよ!」とうれしい笑顔が見られました。
もうひとつのポイントは、食べさせたい野菜をたくさん入れないこと。極端にいえば、このキンピラなら、コーンの中に2~3切れピーマンがあるだけでもOK。それだけでも食べられたら、次回は少し増やしましょう。
というわけで、ピーマンが苦手なお子さんには今回の2品なら、きんぴらから慣れていくとよいと思います。きんぴらでピーマンの量を増やしていき、焼きそばに入れるピーマンもゆでこぼしてから炒めるなど、ステップアップしていけば、そのうち、ゆでこぼさなくても平気になります。そうしたら、肉詰めのようにピーマンが主になる料理も食べられるようになるでしょう。
ただ、「ゆでこぼすとピーマンのビタミンCが減ってしまう」ということが気になるかもしれません。確かにビタミンCは水溶性なので、失われます。しかし、それよりも、ピーマンが食べられるようになる、という経験の方が大事です。ビタミンCはピーマンじゃなくても他の野菜や果物でも補えるので、ここは気にせずにお試しください。
ピーマンの畑の肉詰めカレー風味
(10個できるうちの子ども1人分2個あたり)172kcal 塩分0.6g
《材料》3~4人分
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ピーマン 5~6個(180g)
水煮大豆 100g
合びき肉 200g
たまねぎ 1/4個(50g)
カレー粉 小さじ1
塩 小さじ1/2
小麦粉 適宜
オリーブ油 大さじ1
《作り方》
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1)水煮大豆は、ポリ袋に入れてつぶす。
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2)1)の大豆、合びき肉、みじん切りにしたたまねぎ、カレー粉、塩をよく混ぜる。
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3)縦半分に切って、種を取ったピーマンに小麦粉をふり、2)をしっかりと詰める。(あふれるくらい詰める。焼くと縮むため)
4)オリーブ油を熱したフライパンで詰めた面を下にして中火で焼き、ひっくり返し、水を少々加え、ふたをして弱火で3分くらい蒸し焼きにする。
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5)ケチャップを添える。
※子どもには写真のようにケチャップでデコレーションするとよい。
ピーマンとコーンのきんぴら
1人分 47kcal 塩分0.4g
《材料》(4人分)
ピーマン 2個
ホールコーン 100g
バター 大さじ1
しょうゆ 小さじ1
《作り方》
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1)縦半分に切って、横に千切りする。
2)ピーマンは沸騰した湯でゆでてざるにあげる。
※ゆでて青臭さ、苦さを除く。
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3)バターを熱し、ピーマン、コーンを炒め、しょうゆ、塩で味を整える。
※バターの風味、油分で苦味をカバーし、コーンの甘さと炒めた香ばしさ、しょうゆの香ばしさでピーマンの苦みをカバー。
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