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子どもの自立を意識して育てる/くやまない、悩まない、自分を責めない――心がラクになるアドラー流子育て【第19回】

子どもの自立を意識して育てる/くやまない、悩まない、自分を責めない――心がラクになるアドラー流子育て【第19回】

子どもは、わたしたち親が思っている以上に、自分の道は自分で切り拓いていくもの。わたしが試行錯誤している間に、どんどん子どもに追い越されていた・・・今、自分の子育てを振り返って、改めてそんな気がしているのです。

我が子たちが成人して

2017年6月、我が家の双子が誕生日を迎え20歳になりました。
長男も3月で23歳になりましたので、これで全員が成人したことになります。わたしの子育てもなんとかこれで一段落。ひとまず肩の荷がおりました。

長男は数年前より一人暮らしでしたが、この4月には次男と三男(双子)も、それぞれ別の場所で一人暮らしとなり、これで我が子全員が家を出ました。子育て期なんて本当にあっという間だったと、今、感じています。

「子育て」というと、イメージとしては幼児期まで、あるいは小学校低学年までの年齢の子どもを想像する方が多いと思いますが、子どもが何歳になっても、(たとえ成人しても)親は心配なものですね。

でも、子どもは、わたしたち親が思っている以上に、自分の道は自分で切り拓いていくもの。わたしが試行錯誤している間に、どんどん子どもに追い越されていた・・・今、自分の子育てを振り返って、改めてそんな気がしているのです。

育児書は参考になりますが……

子どもが小さいころは、とかく、日々の生活に追われがちで、子育ての目標など、ゆっくり考えるゆとりもないものです。

わたしの場合、子どもが生まれる前からアドラー心理学を学んでいたので、子育てについて、多少の知識は持っていたつもりでした。

ところが、実際に子どもが生まれ、生身の人間を目の前にしたとき、自分のやっていることについて「本当にこれで良いのだろうか」という迷いや悩みが生まれてきたのです。

多くの育児書も読みました。

でも、読めば読むほど、わからなくなる時期もありました。なぜなら、本によって、書いてあることが真逆だったりしたからです。

また、目の前の我が子は、本に書いてあるケースと同じということもありませんので、マニュアル化された指南書は、参考程度としてとらえていました。

子育てについていくら学んでも、最終的には、自分で指針を決めるしかないのです。

改めて子育ての目標を考えてみる

幸いにも、わたしたち夫婦には、子育てについての指針がありました。アドラー心理学では、子育ての目標は自立と考えます。わたしたち夫婦もこのことに共感し、それを子育ての目標としたのです。

日々の暮らしの中で、どんなことをすれば子どもの自立を促すのかについては、当時はまったくわかっていなかったのですが、それでも、この指針が、わたしたちの心の中で揺らぐことはありませんでした。

子どもが生まれたその日から、将来は自分の力で生きていけるよう、支援するのがわたしたち親の役目。そう考えて、子育てをしてきました。

人に優しくできる子になってほしい、笑顔の絶えない子になってほしい、何かしら得意なことを一つでも習得できるようになってほしいなど、子どもに対する親の願いはたくさんあります。それでもやはり、最終目標として、自分の足で歩んでいける人になってほしい。

子どもの自立をはばむのは親

子どもがたくさん誕生していたかつてとは違い、現代は各家庭の子どもの数が少ないため、親の目は行き届いていると言われます。親は、子どもに愛情をたっぷりと注ぎやすく、子どもが望むことはなんでもしてあげたくなってしまうことでしょう。

その反面、つい手をかけ過ぎてしまう傾向があると思います。これが続いてしまうと、本当は自分でできることでさえも、やろうとしない子になってしまう危険性があることを保護者の方には、ぜひ知っておいてほしいのです。

手をかけるということは、まさに子どもを自立から遠ざけてしまうこと。
親がいなければ何もできないのでは、将来困ることは目に見えています。

子どもの自立を促す、ひとつの心がけ

では、子どもが将来自立するために、子どもが小さいころからわたしたちにできることとは一体何でしょうか。それは、

できるだけ自分で決めさせる。

これは様々なシーンで使えます。子どもは自分で選択することが大好きです。あれこれと親が決めてしまうのではなく、ときには「どうする?」と訊いてあげてください。

子どもが答えられないようであれば、選択肢をいくつかあげて、その中から選ばせるようにします。

例えば、買い物に行ったとしましょう。
「今日の夕食は何を食べたい?」そんなことからで良いのです。
もし、好きなものばかりとか現実的でないものを言ってしまうのであれば、

「今日は、それは作れないんだけど、○○○と△△△だったらどっちを食べたい?」と、選択肢をこちらで設定すると良いでしょう。

自分のことを自分で決められる、または選択できるようにする。
そして、こちらが受け入れられることは受け入れる。
受け入れられないことならば、いっしょに相談する。

これが自立への小さな小さな一歩です。

このような小さな積み重ねで、やがては自分のことは自分で考え、行動でき、人のせいにせず、自分の責任は自分でとれるようになっていきます。

保護者の心がけ次第で、子どもの自立を促すことは可能です。
ぜひ試してみてください。

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松井美香(まついみか)

松井美香(まついみか)

松井美香(まついみか)

東京音楽大学ピアノ専攻卒業。「勇気づけの音楽家」。大学卒業後約10年間公立中学校に勤務。その頃偶然、教員研修でアドラー心理学に出会い、岩井俊憲氏の元で学び約25年が経過。自身のピアノ教室や子育てにおいてアドラー心理学を実践する中、子どもたちが音楽や部活動を続けながらも有名大学に続々と合格し夢を叶えている。長男(21歳)と双子(18歳)三人の男子の母。現在、保護者や音楽指導者に向け、執筆やセミナーを通して「勇気づけの指導法」を広める活動をしている。

*学研「おんがく通信」にて、コラム「勇気づけのピアノレッスン」連載中

*学研プラス出版「あなたの想いが届く愛のピアノレッスン」にて、手記「ある教室のささやかなサクセスストーリー」を執筆

松井美香公式ホームページ:

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