基礎 知識
日本は世界の中でも水道の水質がよい国の一つだ。世界で水道水をそのまま飲める国は日本をふくめて11か国しかない。また、水道水をそのまま飲めるが注意が必要な国は29か国で、多くの国がそのままでは飲めないよ(『令和4年版 日本の水資源の現況』国土交通省)。
日本では、浄水場から水道水を送っている。川などから水をひき、砂やどろ、ごみなどを取り除いてきれいにしている。水をきれいにするための過程の一つが「ろ過」だ。砂やじゃり、小石がしきつめられたろ過池に水を通すことで、目に見えない細かいどろなどの粒を取り除いている。
ペットボトルに小石や活性炭を入れて、浄水場のろ過池と同じ原理を利用したろ過装置をつくってみよう。
用意 するもの
- 500mLの
空 のペットボトル(同 じサイズのもの) 2本 小石 100g活性炭 40g脱脂綿 8cm✕8cm 4枚 - ガーゼ 7.5㎝✕7.5㎝ 1
枚 - カッターナイフまたははさみ
- どろ
水 200mL - どろ
水 を入 れるコップなど
「ろ過 装置 」の作 り方
① 小石を水でよく洗う。
② 1本のペットボトルの底の部分をカッターナイフかはさみで切りはなす。
③もう 1本のペットボトルの上の部分をカッターナイフかはさみで切りはなす。
④ 脱脂綿2枚を重ねて水をふくませてからかたくしぼり、②のペットボトルの飲み口の内側にぎゅっとつめる。
⑤ ④のペットボトルの飲み口を下にして、小石、脱脂綿、活性炭、脱脂綿、小石、ガーゼの順に入れる。
⑥ ⑤のペットボトルを、③のペットボトルの切り口に外れないようにしっかり差しこむ。これで「ろ過装置」が完成。
⑦ ⑥の上からどろ水を少しずつ、静かに注ぐ。
まとめ方
・ペットボトルを通った水はどうなっているだろうか。また、どうしてそうなったのか考えよう。
・今回作った「ろ過装置」でろ過した水は、飲み水としては適さない。飲み水にもなる安全な水とは、どんな水だろう。
・「まとめ方のコツ 工作の例」を見て、工作を通じて考察したことをまとめよう。
発展
・どろ水以外にも、米のとぎ汁やしょう油などをうすめてろ過し、比較してみよう。
・浄水場ではきれいで安全な水を水道水として送るためにどのような方法をとっているだろうか。
もっとSDGs
・日本では、水道のじゃ口をひねれば安全な水が出てくるが、他の国はどうだろう。安全な水が手に入りにくい地域では、どのような方法で水を確保しているのだろう。
・安全な水が手に入らないと、どんなことに困るか、具体的に考えてみよう。
・安全な水を使うことができるように、日本などが行っている国際支援にはどのようなものがあるだろうか。
工作 をするときの注意
工作 をする前 に必 ずおうちの方 といっしょに読 んでね。
・工作に使う材料や道具などは、使ってよいものかどうか、おうちの人に確かめよう。
・はさみやカッターナイフを使うときは、けがをしないように気をつけよう。
・工作を始める前には、まわりをかたづけよう。よごれたりぬれたりするおそれがあるので、新聞紙やビニールシートをしこう。
・作業が終わったら材料や道具をきちんとかたづけ、作業をしていた場所をきれいにしよう。
・工作で使ったものや作った作品は、小さい子の手のとどかない場所にしまうこと。
・作業が終わったら、必ず手をよく洗うこと。
・今回の工作でろ過した水には、健康を害する微生物や化学物質が入っているおそれがあるため、飲まないようにしよう。