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夏野菜のワンプレートごはん/元気な子どもが育つ毎日のごはん【第7回】

夏野菜のワンプレートごはん/元気な子どもが育つ毎日のごはん【第7回】

学校給食はエネルギーや必要な栄養素について、1日の1/3以上が補えるように配慮されています。これを家庭で栄養価計算をしないでクリアするのは難しい……と思ってしまいますよね。

「豚肉のカレー風味しょうが焼き」のレシピを見るもうすぐ夏休みですね。子どもにとっては、旅行や夏祭り、花火大会、プールなど楽しい夏休みですが、親にとっては、楽しいだけではないかもしれませんね。

なかでも、給食をたよりにしていた昼ごはんや学童のお弁当は悩みのたね(?)なのではないでしょうか。

学校給食はエネルギーや必要な栄養素について、1日の1/3以上が補えるように配慮されています。これを家庭で栄養価計算をしないでクリアするのは難しい……と思ってしまいますよね。栄養バランスは「主食」(ごはんやパン、麺など炭水化物源)、「主菜」(肉や魚、大豆製品、卵が主になるたんぱく質や脂質が補えるおかず)、「副菜」(野菜やきのこ、海藻類が中心のおかずでビタミンやミネラル、食物繊維が補えるおかず)がそろうようにしていれば、だいたい整います。

ですが、気をつけないと不足しがちなのが、カルシウム、鉄、食物繊維です。

カルシウムといえば、牛乳・乳製品が思い浮かぶと思います。幼児・小学生なら1日コップ2杯(約400mL)は必要です。大概、給食で牛乳1本(200mL)が出ているので、夏休み中はその分を家庭でも補うのを忘れないようにしたいですね。その他、カルシウム源としては豆腐や納豆などの大豆製品も優秀なので、意識して摂り入れることをおすすめします。

そして、鉄ですが、毎回の食事で主菜を抜かないことが鉄則です。鉄はレバーや赤身の肉や魚に豊富です。また青菜や切り干し大根、ひじきなど植物性食品に含まれる鉄は動物性たんぱく質といっしょにとることで吸収率がアップするので、主菜は鉄補給には欠かせないのです。

さらに食物繊維(※下の表参照)は大人も不足しがちです。子どもの場合、1食3~4gは摂りたいのですが、今回はこのワンプレートで2.9g。夏野菜の中では、今回使った食材のとうもろこし、オクラは食物繊維が豊富です。とうもろこしは皮をむいて水にくぐらせラップでぴっちりと巻いて、レンジ(600W)で4分加熱して、粗熱がとれるまで蒸らせばOK。おべんとうの1品やおやつにもピッタリ。オクラはアクがないので、そのまま炒めたり、みそ汁やスープの具にもおすすめです。

【食物繊維の食事摂取基準  g/日】

年齢 男性 女性
6~7 11以上 10以上
8~9 12以上 12以上
10~11 13以上 13以上
12~14 17以上 16以上
15~17 19以上 17以上
18~69 20以上 18以上
70以上 19以上 17以上

豚肉のカレー風味しょうが焼き

1人分 310kcal  塩分1.5g  食物繊維 1.1g

《材料》(4人分) ※写真は2人分です。

豚肉(しょうが焼き用) 400g
A(カレー粉 小さじ1/2、しょうゆ 大さじ2、酒・みりん 各大さじ1、しょうが汁 小さじ1)
オクラ 1パック
サラダ油 大さじ1
塩 少々

《作り方》

1)豚肉はAに15分くらいつけておく。

2)オクラは塩でもんで産毛をとり、ガクのまわりを削り、斜め半分に切る。

3)フライパンにサラダ油を熱し、1)を重ならないように並べ、空いているところにオクラを入れて、いっしょに炒める。肉が写真のような色になったら、ひっくり返す。

4)漬け汁を回し入れて絡める。

とうもろこしごはん

1人分 334kcal  塩分0.8g 食物繊維 1.8g

《材料》(作りやすい分量:4~6人分) ※写真は全量です。

とうもろこし 1本(300g→正味190g)
米 2合:洗ってざるにあげる
塩 小さじ1/2
バター(有塩) 大さじ1

《作り方》

1)とうもろこしは実をこそげる。

2)炊飯器に米を入れ、2合の目盛りまで水を入れ、塩を加えさっとまぜ、とうもろこしの実、芯をのせて炊く。

3)炊き上がったら芯をとりのぞき、バターを加え全体を混ぜる。

盛りつけ

とうもろこしごはんを型抜きして皿に盛り、豚肉、オクラをのせる。

牧野直子(まきのなおこ)

牧野直子(まきのなおこ)

牧野直子(まきのなおこ)

管理栄養士、料理研究家、㈲スタジオ食(くう)代表。
大学在学中から栄養指導や教育活動に関わる。メディア(雑誌、書籍、テレビほか)をはじめ、料理教室、講演会、病院や保健センター等で幅広く活動。わかりやすく、実践しやすい指導をモットーに、生活習慣病や肥満の予防・改善のための食生活指導や栄養指導に携わるほか、健康によく、簡単で、おいしい料理の提案を行っている。
著書に「元気塾弁」(女子栄養大学出版部)、「病気にならない新・野菜を食べる健康法」(マガジンハウス)、「2歳からのごはんBOOK」(NHK出版)、「ひと目でわかる料理の手習い帖」(池田書店)など。

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