「防災」に関するどんなものに「税金」が使われているの?
税金ってなに?

税金とは、「みんなが互いに支え合い、共によりよい社会を作っていくために、みんなで出し合うお金」のこと。「社会の会費」とも呼ばれているよ。
税金は、水道や道路などの整備、警察署や消防署の人たちの活動など、私たちの暮らしに欠かせない「公的サービス」に使われているよ。
公的サービスを提供するには、とても大きな費用がかかるんだ。だから、国民一人ひとりから税金を集めて、国や地方自治体が運営することで、みんなが平等に利用できるようにしているんだよ。
税金にはたくさんの種類があって、どこに納めるのか、何に対して使われるのかが違うよ。みんなにとって一番身近な税金は「消費税」じゃないかな。買い物をしたときのレシートに、「内消費税等」と書いてあるから探してみよう。ほかにも、「所得税」や「法人税」「たばこ税」などいろいろな税金があるよ。
参考
「ファイナンスらんど(財務省)」
【クイズ】税金が使われているのはどれ?
防災に使われている「税金」はどのくらいあるの?
毎年、国会では国の予算を決めているよ。国の予算は、集められた税金の使い道とも言える、とっても大切なこと。なかでも、災害に備えたり、災害が起きたときに困っている人を助けたりするための金を「防災関係予算」と言うよ。

令和7年度の防災関係予算は、およそ1兆9,450億円。2024年1月1日に発生した能登半島地震など、最近起こった災害から学んだことを活かして、より災害に強い国にしていくために、日本が防災に力を入れているんだよ。
参考
もっとくわしく!
防災関係予算は、具体的にはどのようなことに使われているんだろう? それぞれ、どんな役割をはたしているか、また、みんなの周りで見つけられるものはあるかを調べてみよう。

■災害に強いまちづくり
・堤防や護岸の整備・・・川や海のそばに丈夫な壁をつくって、水害が起こりにくくすること。
・砂防ダムの建設・・・山から流れてくる土砂を受け止めるためのダムをつくること。
・公共施設の耐震化・・・学校や病院、市役所など、みんなが使う公共施設を地震に強くすること。
・防災公園の整備・・・地震や大きな災害が起こったとき、みんなが安全に集まれる公園を準備しておくこと。
・公共インフラの災害復旧・強化・・・道路・橋・上下水道など、私たちの生活に欠かせないものを、災害が起こっても大丈夫なように強くしたり、壊れても早く直したりすること。
■災害から身を守るための情報や知識を広める活動
・ハザードマップの作成・配布・・・災害が起こったときにどこが危ないかがわかる地図をつくって、みんなに配ること。
・防災行政無線・・・公園や学校の近くに設置されている、災害情報を伝えるための大きなスピーカーのこと。
・緊急地震速報・・・地震が来る少し前に、「地震が来るよ!」と教えてくれるお知らせのこと。
・Jアラート・・・ミサイルや津波など、国全体に関わるような緊急の情報をみんなに伝えるシステムのこと。
・防災訓練の実施支援・・・地震や津波、水害などが起きたとき、どうやって身を守るか、どこへ逃げるかなどを練習する手伝いをすること。

■もしものときの対応・活動
・消防・救急・警察・・・火事を消したり、けがをした人や災害で動けなくなった人を助け出したり、道が通れるようにしたりしてくれる人たちのこと。
・自衛隊の活動・・・普段は日本の平和を守るために訓練をしている人たちが、災害時にはすぐに現場に駆けつけて、困っている人を助けてくれること。
・避難所の運営・・・災害で家に帰れなくなった人が一時的に安全に過ごせる場所を準備して、提供すること。
・災害で発生したがれきなどの処理・・・災害で壊れた家や建物から出た、たくさんのゴミなどを片付けること。
・被災者の支援・・・災害で大変な思いをした人たちを、いろいろな方法で助けること。
■未来の防災のための活動
・防災技術の研究・開発・・・これから起こるかもしれない災害に備えて、新しい技術や研究を進める支援をすること。
わたしが住 むまちの防災 マップを作 ろう
みんなが住んでいるまちにも、税金でつくられた“災害のときに役立つ場所”がたくさんあるよ。それを地図に書いて、自分だけの「防災マップ」を作ってみよう!
準備 するもの
・おうちの周りの地図
・色鉛筆やマーカーペン
・ハザードマップ
・(用意できれば)カメラ
手順 ①

自宅から一番近い避難場所を調べて、実際に歩いてみよう。途中で、危険な場所(高いブロック塀や看板、電柱など)を見つけたら、地図に書き込もう。安全な場所(広い公園、頭上になにもない開けた場所)だと感じた場所にもしるしをつけておくといいよ。写真を撮ってメモを残しておくと、あとでまとめやすいよ。
手順 ②

避難所までの道以外も、普段よく歩く道や駅のまわりを歩いてみて、防災に関するものを見つけたら、地図に書き込もう。
手順 ③


次に、自治体で配布されているハザードマップを見ながら、災害が起こったときに危険な場所を書き込もう。
ヒント!
・防災に関する公的サービスはいくつあったかな?
・見つけたものの特徴、探してみて感じたことをふせんやメモ用紙に書いて、地図にどんどん貼っていこう
・もしものときに家族で集まる場所も、しるしをつけておこう
防災 に関 する「税金 」のかかわり方 を調 べてみよう
きみが住んでいる市町村では、年間いくらくらいの税金が防災関連に使われているかな? また、最近、どんなことに使われたんだろう? 自治体のホームページなどで調べてみよう。実際に近所を歩いたときに見つけたことがあれば、それも書き込んでおこう。
(例)Gakken県キッズネット市
【市の予算】
令和2年度~6年度 約〇〇〇億円
令和7年度~11年度 約〇〇〇億円の予定
【税金の使い道】
小中学校・公園のトイレの洋式化 〇億〇〇万円
小中学校の体育館の空調設備整備 〇億〇〇万円
避難所の防犯対策 〇〇万円
木造密集対策地域の感電ブレーカーと家具転倒防止器具設置の全額補助 〇億〇〇万円
備蓄飲食料の強化 〇億〇〇万円
まとめよう
ワークシートに、しるしやメモを書き込んだ地図を貼って、それぞれの説明を書き込もう。さらに、自分の市町村が取り組んでいる防災対策、調べてみて思ったこと、感じたこと、もっと調べてみたいことなどを書き込んで、ワークシートを完成させよう。
【発展 ①】ほかの地域 についても調 べて、比 べてみよう
きみが住んでいるまちと、ほかのまちでは、防災施設や防災への税金の使われ方に違いがあるかな? それとも、みんないっしょかな? 祖父母や親せきが住んでいる場所、友だちが住んでいる場所、旅行で行ったことがある場所などからひとつ地域を選んで、同じように防災マップをつくってみよう。
できれば、自分の住んでいるまちから遠い場所、地形や環境が違う場所にすると、きみの家のまわりでは見られなかった防災対策を見つけられるかもしれないよ。おじいちゃんおばあちゃんの家に帰省したときに歩いて調べてみてもいいし、行けないときはインターネットで地図を見てみよう。住んでいる人に電話で取材して、話を聞いてみるのもいいね。
【発展 ②】過去 の震災 から「防災 ・復興 」について調 べてみよう
防災は、備えることももちろん大切だけど、震災が起こったあとのことを考える必要もあるんだ。実際に震災で被害を受けた地域では、復興(大きな災害のあとに、元の生活にもどっていくこと)のために、どんなふうに税金が使われたんだろう。

みんなが住むまちの税金の使われ方と、何か違うところはあったかな? 2024年1月1日に発生した能登半島地震では、税金がどのように使われたのかを調べてみてもいいね。