まずはふだんの買 い物 のレシートをチェックしてみよう

まずは、お使いを頼まれたり、自分のお小遣いで買い物をしたときにもらうレシートを見てみよう。レシートの中に「内消費税等」の文字があるよね。この「消費税」とは、商品を買ったり、散髪などのサービスを受けたりしたときにかかる税金のこと。きみも買い物をしてお店に払う代金の中には、消費税分のお金も含まれていて、お店が国にまとめて消費税を納めているんだよ。消費税はわたしたちにとっていちばん身近な税金だけど、税金にはほかにも多くの種類があって、国や自治体への税金の納め方もさまざまだ。きみや家族はどんなときにどんな種類の税金を払っているのか、考えていこう。
参考
「もっと知りたい税のこと 「税」の意義と役割を知ろう(財務省)」
「【小学生用】どのような税金があるのだろう・身近な税金(国税庁動画チャンネル)」
家族 にインタビューをしてどんな税金 を払 っているのか調査 しよう

家族のみんながどんな税金を払っているのか(払ったことがあるのか)をインタビューして調査しよう。おもな税金の種類が書かれた『調査シート』をプリントして、シートを使って家族のみんなに話を聞いていこう。「所得税は納めている?」といった感じで、調査シートに書かれた税金を上から順に払っているかどうかを聞いて、右の書き込み例のように「払っているよ」「払ったことがあるよ」というときは「〇」、「払っていないよ」というときは「×」を記入していくよ。さらに、「ここにある税金以外で払っている税金はある?」と聞いて、このシートに書いていない税金が出てきたら空いている欄に書き足して「○」を記入しよう。
参考「税の種類に関する資料(財務省)」
自分 や家族 が払 っている税金 はどんな税金 なのかを調 べよう
インタビューでいろいろな税金を家族のみんなが払っていることがわかったら、次は払っている税金はどのような税金なのかを調べてみよう。まず、税金を払っている家族にどんな税金なのかインタビューをしよう。さらにインターネットで調べたり、図書館に行って本で調べたりして、どんな税金なのか正体を明らかにしていこう。『税金の種類のまとめ表』をプリントして、調べてわかったことをどんどん書いていこう。

参考「もっと知りたい税のこと 「税」の現状を知ろう(財務省)」
参考「さがみはらキッズ 税金(ぜいきん)について学んでみよう!」
参考「やさしい地方税(総務省)」
【ヒント!】
税金には、国に納める「国税」と、都道府県や市区町村に納める「地方税」があるよ。さらに、税金の納め方のちがいでも「直接税」「間接税」に分けられるんだ。直接税は、税金を納める人と税金を負担する人が同じ。間接税は、税金を納める人と税金を負担する人が異なる税金のことをいうよ。例えば、消費税だと、商品を購入するお客さんが税金を負担し、お店が税金を納めるよ。また、税金の説明でよく出てくる「所得」とは、収入からその収入を得るために使った経費を引いたものをいうよ。
国 や都道府県 ・市区町村 などに集 められる税金 について見 てみよう
国 に集 められるお金 の円 グラフ

税金は大きく、国に払われている「国税」と都道府県や市区町村に払われている「地方税」に分類できることがわかったね。右のグラフは1年間で国に集められるお金の中身だよ。集められるお金のうち、みんなから払われた税金は約3分の2で、残りの約3分の1は「国債」という借金で構成されていることがわかるね。国に払われる税金の中で割合が高いのは消費税、所得税、法人税で、この3つの税金が税金による収入のほとんどを占めていることがわかるね。
都道府県 に集 められるお金 の円 グラフ(静岡県 の例 )

次に都道府県に集められるお金について見てみよう。左の円グラフは、例として、1年間に静岡県に集められるお金を見てみたものだよ。静岡県の場合は、35.3%が住んでいる人たちなどから払われた税金で、税金以外の収入とあわせて約半分が県が自主的に調達したお金だ。そのほかに「県債」とよばれる県の借金、国からの補助金などで構成されているよ。
市区町村 に集 められるお金 の円 グラフ(静岡市 の例 )

さらに市区町村に集められるお金についても見てみよう。右の円グラフは、例として、1年間に静岡市に集められるお金を見てみたものだよ。静岡市の場合は、税金は「市民税」「固定資産税」「都市計画税」と、その他市税にまとめられている「軽自動車税」「市たばこ税」「事業所税」「鉱産税」「入湯税」の全部で8種類あるよ。
家族 が払 っている税金 とあわせて整理 してみよう
国や都道府県、市区町村に集められるお金について調べたあとは、自分や家族が払っている税金とあわせて、どんな種類の税金があるのかがわかる早見表を作ってみよう。『国や都道府県、市区町村の税金チェックシート』をプリントして、それぞれ色分けした税金の種類の枠内に、払っている家族の名前を書いていくよ。だれも払っていない税金があったら、その税金はどのようなときに、だれが払っている税金なのかを調べて、先ほど書き込んだ『税金の種類のまとめ表』に書き足そう。自分たちが払っている税金が、国や都道府県、市区町村に集められているお金のうち、どの程度を占めているのかがわかるよ。

【よりくわしく見てみたい人は……】
都道府県や市区町村に集められるお金については、自分の住んでいる地域を調べてみてもいいね。都道府県や市区町村のホームページにアクセスしてページ内の検索機能で「歳入」と入力して検索しよう。検索サイトで、「〇〇県 歳入」「〇〇市 歳入」と検索してもいいよ。また、ホームページに掲載されていない場合は、役所に連絡をして取材をしたりしてみてもいいね。
まとめ方
自分 も社会 を支 えるひとりとして税金 との関 わりについて考 えをまとめよう
家族へのインタビューと調べたことをもとにまとめた『家族が払っている税金の種類まとめ表』や、『国や都道府県、市区町村の税金チェックシート』を使って、自分と家族は税金とどのように関わっているのか、気付いたことをまとめてみよう。例えば、下のようにそれぞれ作成したシートを使って気付いたことを書き込んで、最後にどう感じたのかをまとめとして書いてみよう。
【ヒント!】
こんな視点を参考に、自由研究のまとめに書いてみてもいいね。
- 自分の家族が払っている税金の種類を見て多いと思った?それとも少ないと思った?
- 家族が払っていない税金も含めて、調べた税金の中で、おもしろいと思ったものや驚いたものはあるかな?それはなぜそう感じた?
- 国、都道府県、市区町村に集められるお金の状況をみてどう思ったか、家族のみんなと話してみよう。
発展
今年の夏休みに帰省や家族旅行で出かけることがあれば、その途中で払っていた税金はないか調べてみよう。例えば、自動車で温泉旅行に行って、お父さんはゴルフを楽しんで、自分とお母さんは温泉巡りを楽しんだとしたら、地域によっては旅館に宿泊すると「宿泊税」、ゴルフをすると「ゴルフ場利用税」、温泉に入ると「入湯税」といった税金を払う場合があるよ。ぜひレシートや領収書をチェックさせてもらおう。ほかにも「こんな税金をつくったら面白いんじゃないかな?」というのを考えてみるのもいいね。
注意
・調査に出かけるときは、自動車や歩行者などに注意し、きけんな場所には近づかないようにしよう。
・遠くに出かけるときは、大人といっしょに行こう。
・博物館や図書館などでは、さわいだり走ったりしないこと。また、展示されているものにむやみにさわらないこと。
・役所などで調査をするときは、行く前に許可をとり、めいわくにならないようにしよう。
・役所などに電話をするときは、まず名前を伝えてから用件をはっきり話そう。相手のめいわくにならないように、電話で話している時間があるかどうか確かめること。
・人に話しを聞きに行くときは、行く前に都合のよい日時を聞き、時間におくれないようにしよう。終わったら、必ずお礼を言おう。