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うなぎのちらし寿司/元気な子どもが育つ毎日のごはん【第8回】

うなぎのちらし寿司/元気な子どもが育つ毎日のごはん【第8回】

今年の土用の丑の日は7月30日。丑の日にうなぎを食べる習慣は諸説あります。江戸時代にうなぎ屋から「夏はうなぎが売れない(※うなぎの旬は冬)」と相談をうけた平賀源内が、「土用の丑の日にはうなぎを」と張り紙をしたことから、という説が有名。

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今年の土用の丑の日は7月30日。丑の日にうなぎを食べる習慣は諸説あります。江戸時代にうなぎ屋から「夏はうなぎが売れない(※うなぎの旬は冬)」と相談をうけた平賀源内が、「土用の丑の日にはうなぎを」と張り紙をしたことから、という説が有名。

ですが、その背景には、「丑の日には『う』のつく食べ物を食べると夏負けしない」という風習があったようです。なので、うなぎに限らず、うどん、瓜(うり)、梅干し、うさぎ、馬肉(うま)、牛肉(うし)も食べられていたようですが、現在は慣習として残っていません。

では実際、うなぎは夏負け(夏バテ)しない食材なのでしょうか。うなぎの栄養素として、一番に挙げられるのは、動物性の良質なたんぱく質源です。たんぱく質はからだをつくる材料として欠かせませんが、免疫力の維持と向上にもなくてはなりません。夏の暑さはストレスのひとつなので、それに対抗する免疫力は強化したいものです。

また、うなぎには食事で摂った糖質や脂質をエネルギーに換えるビタミンB1、B2が豊富。ビタミンB1、B2は水溶性のため、汗とともに失われるので、夏は積極的にとりたいビタミンです。

うなぎは、1食で1日に必要な量の半分以上を補える夏バテ予防、改善に優秀な食材と言えます。ほかには成長のビタミンといわれるビタミンA、カルシウムの吸収を助けるビタミンDなど成長期の子どもに欠かせない栄養素が充実しています。ただし、脂質が多いので、魚といえども、ステーキ肉なみのエネルギー(カロリー)があります。

食べ過ぎるとエネルギーの摂りすぎで太る原因にもなりますが、逆を言えば、少量でもエネルギーが補えるので、小食の子どもが効率よくエネルギーを得られる食材というわけです。

さて、うなぎのかば焼きですが、小さい子どもには噛みちぎりにくいですし、味も濃いめなのが難点。適量を食べやすくするには、今回のように刻んで、ごはんに混ぜる食べ方がおすすめです。ちらし寿司風にすることで、彩りも華やかに! さらに食べやすいように、手軽なわかめのお吸い物を添えてみてはいかがでしょう。

うなぎのちらし寿司

1人分458kcal  塩分2.1g

《材料》(2人分)

うなぎのかば焼き 小1串分
温かいごはん 1合分
市販すし酢 大さじ2
きゅうり 1/3本
塩 少々
錦糸卵
卵 1個
塩 少々
サラダ油 少々
白いりごま 少々

大人用薬味野菜(しその千切り、みょうがの粗みじん切り、万能ねぎの小口切り) 適量

《作り方》

1)温かいごはんにすし酢を回しかけ、切るように混ぜ、冷ます。

2)きゅうりは千切りにし、塩をふってしんなりとさせ、水気をしぼる。

3)卵は割りほぐし、塩を加える。フライパンを中火で温め、油をひいて、卵液を回し入れ、薄焼き卵を作り、冷まして千切りにし、錦糸卵を作る。

5)皿に1)の酢飯を盛り、2)のきゅうり、錦糸卵をのせ、うなぎのかば焼きをちらし、ごまをふる。

※大人は好みで薬味をトッピングする。

牧野直子(まきのなおこ)

牧野直子(まきのなおこ)

牧野直子(まきのなおこ)

管理栄養士、料理研究家、㈲スタジオ食(くう)代表。
大学在学中から栄養指導や教育活動に関わる。メディア(雑誌、書籍、テレビほか)をはじめ、料理教室、講演会、病院や保健センター等で幅広く活動。わかりやすく、実践しやすい指導をモットーに、生活習慣病や肥満の予防・改善のための食生活指導や栄養指導に携わるほか、健康によく、簡単で、おいしい料理の提案を行っている。
著書に「元気塾弁」(女子栄養大学出版部)、「病気にならない新・野菜を食べる健康法」(マガジンハウス)、「2歳からのごはんBOOK」(NHK出版)、「ひと目でわかる料理の手習い帖」(池田書店)など。

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