石 けんの性質 を知 ろう
石けんは、油になじみやすい部分[親油基]と、水になじみやすい部分[親水基]でできている。水だけでは落ちにくい油分をふくんだよごれも、石けんを使えば、油になじみやすい部分がその周りをとりかこみ、水になじみやすい部分がうかび上がらせて落とすことができる。
石けんのように、水と油の両方の性質を持って、その境目を混じり合わせるものを“界面活性剤”というよ。
体から出る皮脂は油分をふくんでいるので、石けんを使うと、皮脂やほこりなどのよごれといっしょに、ウイルスや細菌を洗い流して落とすことができる。
また、新型コロナウイルスのように脂質の膜でおおわれたウイルスは、界面活性剤のはたらきでその膜がこわれ、感染する力が弱まる。だから、新型コロナウイルス感染症など、病気の予防にも効果があるんだ。
固形 石 けんと液体 石 けんのちがいは?
石けんには、おもに固形と液体の2種類がある。どちらの石けんを使うことが多いかな?
固形石けんも、液体石けんも、牛脂、ヤシ油、パーム油、オリーブ油など、動物や植物からとれる油脂を原料にして作るよ。
原料に加える化学物質の種類のちがいで、2種類の石けんができる。固形石けんを水にとかしたものが液体石けんではないんだよ。
固形石けんは、原料と水酸化ナトリウムを反応させて作る。
液体石けんは、原料と水酸化カリウムを反応させて作る。水にとけやすいので、液体石けんに向いている。
固形石けんのほうが水でといていないので、ふくまれる石けんの成分が多く、洗浄力が高いが、液体石けんはあわ立てやすいので、洗浄力が発揮しやすいなど、それぞれに特ちょうがある。
しかし、両方とも界面活性剤が入っているので、よごれを落とす働きは変わらない。
どちらも十分にあわ立てて、ていねいに洗えば、よごれやウイルスなどをしっかり落とすことができるよ。
石 けんをつくってみよう
液体石けんに、こい食塩水を混ぜると、石けんのかたまりができるよ。
自分だけの石けんをつくって、その手順を自由研究にまとめてみよう。パソコンソフト PowerPoint用のテンプレートを用意しているよ。
●実験 の方法 と結果
1、2Lのペットボトルに水500mLを入れる。約180gの塩をとかす。
2、コップに4分の1くらい液体石けんを入れ、①の食塩水をコップいっぱいに入れる。
3、石けんのかたまりがうかぶので、こしあみやコーヒーフィルターなどでこす。
4、ねんどやクッキーの型ぬきに入れ、かわいたら型からぬく。