「納豆菌 」について調 べてみよう
まずは納豆をつくるのに欠かせない「納豆菌」について調べてみよう。納豆の作り方のヒントが隠されているよ。納豆菌の性質の一部を紹介するから、参考にしてね。
【1】納豆菌 が大豆 を「発酵 」させる
ゆでた大豆に「納豆菌」を付着させて温かい温度に保つと、納豆菌が活発になり、大豆のたんぱく質などをエサにあの独特のネバネバする納豆に変身するんだ。こうした微生物が食物を分解する力を「発酵」と呼ぶよ。
発酵の力で、食材の風味が増して美味しくなったりお腹に優しくなったりするんだ。菌のなかには悪い菌もいるけど、納豆菌は腸内環境を整えてくれる、人間にとって安全で良い菌なんだよ。
【2】納豆菌 は熱 さ・寒 さにとても強 い
納豆菌は熱に強いんだ。120度の高温にも耐えられるといわれているよ。
また低温にも強く、マイナス100度でも死滅しないといわれているんだ。納豆菌は厳しい環境でも生きられる、とても強い微生物なんだよ。
【3】納豆菌 はどこにいるの?
納豆菌は、「枯草菌」と呼ばれる微生物の一種なんだ。特に稲わらなどに多く存在するといわれていて、煮豆をわらでつつんでつくる「わら納豆」という昔ながらの納豆もあるよ。枯草菌は空気中や土の中など自然界のいたるところに存在していて、人に対して安全な微生物といわれているんだ。
【4】納豆菌 が活発 になる温度 は?
約40度から45度といわれているよ。だから、ちょうど夏休み期間の真夏の気温の高い時期が納豆づくりにぴったりなんだ! 納豆菌をまぶした大豆を温度の高い場所に置いておくだけで、ネバネバ納豆が完成するよ。
【5】納豆菌 は空気 が好 き
納豆菌は「酸素呼吸」をしながら大豆などを発酵させるんだよ。だから納豆をつくるときは、大豆を仕込んだ容器にラップをしたあと、呼吸ができる「空気穴」を開けてあげることが大切なんだ。
納豆 をつくってみよう
用意 するもの
乾燥 大豆 (市販 の水煮 大豆 でも可能 )市販 の納豆 1パック- お
湯 耐熱 ボウル- スプーン
食品 保存 容器 - ラップ
- つまようじ
保温 バッグ
作 り方
①
乾燥大豆を洗い、豆が隠れるくらいの水に一晩ひたす。
②
圧力鍋で大豆を水からゆでる。圧力がかかってから20分程度、豆が柔らかくなるまでゆでるよ。大豆は皮が固いので、普通のお鍋でゆでる場合は2~3時間かかるんだ。
時間がなければ、スーパーなどで売られている市販の「大豆の水煮」を使ってもつくれるよ。その場合は、袋や缶ごとお湯で10分温めて使ってね。納豆菌は温かい温度ほど元気になるよ。
※大豆をゆでるときは火ややけどに注意しながら、必ずおうちの人と一緒につくってね(特に圧力鍋の蒸気は高温になるから注意)。
③
ボールに入れた市販の納豆に、少しお湯を注いでスプーンでかきまわす。すると、だんだんネバネバがお湯になじんでくるよ。このネバネバこそが納豆菌なんだ。
④
③の納豆菌が入ったお湯を、スプーンですくって②でゆでた大豆に振りかけ、軽くかきまぜる。だいたい煮豆100gに対してスプーン4杯くらいが目安だよ。
⑤
容器にラップをして、つまようじで空気穴を開ける。
⑥
温かいうちに保温袋に入れて、クーラーの室外機の上など日当たりの良い暖かい場所に約1日置く。夏以外の涼しい時期ならカイロやお湯を入れたペットボトルなどを保温袋に一緒に入れて保温しよう。ちょっと臭うけどコタツの中で保温してもいいね。
完成!
発酵した豆の表面が納豆菌によって白っぽくなり、糸がネバネバしてきたら完成! 独特のアンモニア臭もしてくるよ。そのあと、一晩冷蔵庫で熟成させたらおいしく食べられるよ。
制作協力/みなむすGOHANPROJECT
著者 プロフィール
高橋桂子
みなむすGOHAN PROJECT代表
https://www.minamusu.com
日本人の主食である「お米」をコミュニケーションツールに、「食」と「クリエイティブ」で2011年に「GOHAN PROJECT」を発足。101歳で長寿を全うした大正生まれの祖母の手仕事(伝統食作り)を見て育った自身の原体験もあり、親子で参加する「昔ながらの発酵・伝統食教室」など食育教室をはじめ、食と農と文化をミックスした「茶の木を育てて→GreenTeaPicnic開催」など「食」にまつわるユニークなプロジェクトを展開。
まとめ方
「まとめ方のコツ工作の例」を参考に、納豆の作り方やその結果、納豆菌について調べたことなどをまとめてみよう。