メニュー閉じる

なすのオペラ風/元気な子どもが育つ毎日のごはん【第10回】

なすのオペラ風/元気な子どもが育つ毎日のごはん【第10回】

夏から秋にかけてが旬のなす。大人は「なす、おいしいよね~」、「毎日食べても飽きないわ」という意見の人が多い反面、「でも、子どもが好きじゃないのよね~」という声もよく耳にします。子どもがなすを嫌う理由は、皮の色や食感、えぐみ、水っぽさなどさまざまなようです。この料理には、それをカバーする工夫がいろいろあります。

「なすのオペラ風」のレシピを見る

夏から秋にかけてが旬のなす。大人は「なす、おいしいよね~」、「毎日食べても飽きないわ」という意見の人が多い反面、「でも、子どもが好きじゃないのよね~」という声もよく耳にします。

高校生の息子も小さいころはなすが苦手で家では食べなかったのですが、ある日「なすのオペラ風は食べられるよ」と言うのです。それは保育園の給食で出ていた料理で、炒めた薄切りのなすとミートソースを重ねてチーズをのせて焼いたものでした。さっそく、家で作ってみると、「保育園のとはちょっと違うけどおいしいね。」と言って完食。

その後は、なすと鶏肉のトマト煮、なすと油揚げのみそ汁、ラタトゥイユなど、食べられる“なす料理”も増え、今では焼きなす、揚げなす、蒸しなす、なすの肉巻き、麻婆なすなど何でもOK。「なすは、うまいね。」とまで言うようになりました。

今回の「なすのオペラ風」は簡単に作れるバージョンで紹介します。

子どもがなすを嫌う理由は、皮の色や食感、えぐみ、水っぽさなどさまざまなようです。この料理には、それをカバーする工夫がいろいろあります。

まず、皮をところどころむくことで、皮の食感を感じにくくします。最初はすべてむいてもよいでしょう。そして水にさらすことで、アクでもあるえぐみを抜きます。そして、炒めることで水けを飛ばし、ひき肉と炒め油の油脂分でえぐみを感じにくくします。そして味つけは子どもが好むケチャップ味。

このレシピでは手軽な市販ピザソースを使います。これに焼いたチーズの香ばしさやコクが加わり、なすが食べやすくなるのです。最初は、なすは少量しか食べられなくても、だんだん慣れて食べられるようになり、そのうち皮をむかなくても大丈夫になります。

なすの栄養ですが、ナスニンとも言われる皮の紫色のアントシアニンに抗酸化作用があり、老化やがん予防に働きます。水に溶けやすい性質があるので、煮る場合は油で炒めたり、揚げるなどして、油でコーティングすると溶けださず、料理の色もきれいに仕上がります。

お弁当にも向いている一品です。ぜひ、お試しください。

なすのオペラ風

152kcal  塩分0.7g

《材料》(4人分)

なす 2本
合いびき肉 100g
にんにく 小1かけ
オリーブ油 大さじ1
塩、こしょう 各少々
市販ピザ用ソース 大さじ4
ピザ用チーズ 50g

《作り方》

1)なすは、ところどころ皮をむき、薄い半月切りにして水にさらし、水けをよくきる。

2)オリーブ油でみじん切りにしたにんにくを弱火で炒め香りが立ってきたら、なすを加え、油が回ってしんなりしてきたらひき肉を加え、肉がポロポロになるまで炒め、塩、こしょうする。

3)耐熱皿に2)の半量を入れ、ピザ用ソースの半量、チーズの半量の順にのせて広げ、残りの2)、ピザ用ソース、チーズを順にのせる。

4)写真のように、すべて器に入れたら、チーズがグツグツして焦げ目がつくまでトースターで焼く。

牧野直子(まきのなおこ)

牧野直子(まきのなおこ)

牧野直子(まきのなおこ)

管理栄養士、料理研究家、㈲スタジオ食(くう)代表。
大学在学中から栄養指導や教育活動に関わる。メディア(雑誌、書籍、テレビほか)をはじめ、料理教室、講演会、病院や保健センター等で幅広く活動。わかりやすく、実践しやすい指導をモットーに、生活習慣病や肥満の予防・改善のための食生活指導や栄養指導に携わるほか、健康によく、簡単で、おいしい料理の提案を行っている。
著書に「元気塾弁」(女子栄養大学出版部)、「病気にならない新・野菜を食べる健康法」(マガジンハウス)、「2歳からのごはんBOOK」(NHK出版)、「ひと目でわかる料理の手習い帖」(池田書店)など。

PAGETOP